学術論文

「勤労者のキャリア満足に関連する要因の検討」『キャリア教育研究』(日本キャリア教育学会)第13号 pp.1-5<査読済み>

 非正規社員や転職する人々が増加し、現代は学業を終えて就職する人々が、全て一つの組織でその職業人生を終えたり、転勤と、より上位の管理職への昇進を繰り返す人生を目標とする時代ではなくなってきました。また、一つの組織を辞めても、その人の職業人生が終結するわけではなく、主婦の再就職の増加にみられるように、多くの人が職業人生を継続します。そのため、働く人は自らのキャリア意識によって、その職業人生が大きく左右される状況が生じています。本論文では、キャリア意識として、自分のこれまでのキャリアに対する満足感を示すキャリア満足を取り上げました。
 そして、民間企業の正社員に対する質問票調査によって、個人属性、職務や職場の状況や本人の組織や仕事に対する意識がどのように影響するのかを分析しました。その結果、個人属性においてキャリア満足の高い層は、低い層に比べて年齢が高く、勤続期間が長いとともに、男性、既婚者、職位上位者、管理職の比率が高いことが明らかにされました。また、職務・職場の状況要因では、職務が自己実現の機会の高いほど、フィードバックが得られやすい職務であるほど、キャリア満足が高いことが見出されました。さらに、個人の意識要因においては、生活において仕事の役割の占める割合の高いほど、個人と組織のキャリアプランの一致度の高いほど、キャリア満足が高いことが明らかになりました。
 これらの結果から、組織の人的資源管理において、ある程度柔軟なキャリアプランを明確に持った従業員の採用や、多様な従業員のキャリアプランに可能な限り適合した、組織内でのキャリア・パス(キャリア上の進路)を用意する必要があると考えれます。働く人の意識やそれと組織のマネジメントとの関係などの問題に興味がある方は、以下を是非お読み下さい。

本文へ→勤労者のキャリア満足に関連する要因の検討.pdf

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