学術論文

「キャリア・プラトー状態の従業員の検討-キャリア意識やキャリア上の決定・行動等の観点から」『産業・組織心理学研究』(産業・組織心理学会)第10巻第1号 pp.41-57<査読済み>

 近年、リストラなどによるポスト不足によって、組織における昇進の停滞を示すキャリア・プラトー現象が広がりを見せています。組織のピラミッド構造を前提とすれば、ほとんどの従業員は最終的にはプラトー状態を迎えることになります。そして、プラトー状態になっても個人の業績は必ずしも低下する訳ではないといった調査結果もみられています。つまり、キャリア・プラトー現象をネガティブな側面からのみとらえるのは適切ではないと考えられます。それでは、プラトー化した従業員(プラトー)とプラトー化していない従業員(ノン・プラトー)とはどの点が異なるのでしょうか。本論文では、民間企業に勤務する正社員を対象とした質問票調査の結果から、プラトーとノン・プラトーとで、職位などの組織内でのキャリアやキャリア意 識、転職意思などがどの様に異なるか、またキャリア・プラトー現象は、主に担当している職務や、社内の部署への配属などにおける「プラトー現象」とどのように異なるかについて分析しました。
 その結果、全体として管理職ほどノン・プラトーが多くみられました。また、総務、企画・調査ほどノン・プラトーの比率がプラトーの比率より高い傾向がみられました。さらに、組織に対するコミットメントや自分のキャリア目標へのコミットメントがプラトーがノン・プラトーより低いことなどが明らかにされました。さらに、職務におけるプラトー現象と配属におけるプラトー現象は類似しており、キャリア・プラトー現象とは異なった現象であることも明らかにされました。人的資源管理上、組織に対するコミットメントを考慮した昇進管理や、従業員のキャリア目標の設定やその達成状況等を把握した上での個々人のキャリア計画の把握によるCDP(キャリア・ディベロップメント・プログラム)の推進などが重要であることが示されました。
 働く人のキャリア発達やそれに対する組織の援助の問題に関心がある方は、是非お読み下さい。

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