学術論文

「M&Aと従業員のキャリア発達」『日本労働研究雑誌』(労働政策研究・研修機構)第570号, pp.27-36

 現在、M&A (企業の合併・買収)は、普遍的な経営戦略として多くの組織でみられます。そして、M&Aは働く人のキャリアにおける大きな転換点・節目になります。M&Aによって否応なく、組織、部署や仕事が変化するのです。すなわち、境界のないキャリアの時代といわれる現代、組織や部署などの境界を乗り越えていかざるを得ないのです。また、これまでの組織でのキャリア・ルート(キャリア・パス)が崩壊することにより、将来のキャリアを見通せなくなります。さらに、組織を移動する場合には、勤労者は組織をまたがる 組織間キャリアの世界に入り、新しい組織の仕事のやり方や規範を習得しなければなりません(組織再社会化)。これらにより、働く人のモチベーションや業績が低下することも十分考えられるのです。しかし、 従業員のコントロールが困難なM&A においても、 キャリア・プランニング(デザイン) を通した継続的なキャリア発達のための戦略の実施、 偶然の出来事も取り込む柔軟な計画性、キャリアの強靭性を背景とした行動などによって、 キャリア発達を図っていくことは可能と考えられます。M&Aに直面している人々だけでなく、自分のキャリアを考えているすべての働く人々に以下をお読みいただきたいと思います。

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