学術論文

「組織のキャリア開発の観点からみたリテンション・マネジメントの国際比較」『青山経営論集』第44巻第3号 pp.133-152

 最近の顕著な人手不足にもみられるように、現代は優秀な人材の獲得競争の時代です。雇用流動化の進展による転職の増加もそれを後押しし、有能な高業績を挙げる人材、将来のコア人材の争奪戦といった状況も展開されています。そこで、働く人は自分のキャリアを組織に頼らず、自律的に展開する必要性が高まってきました。また組織には、キャリアデザイン研修や人材公募制度など、従業員が自分のキャリアを発達させていくことを側面から援助するというキャリア自律重視のキャリア開発を行うことが求められるようになってきました。
 以前筆者が行った研究では、組織の行うキャリア開発が従業員のキャリア発達と組織間をまたがったキャリア発達に対する自信(組織間キャリア効力)を経て、リテンション(組織への定着)に至るというモデルを設定し、わが国の組織では検証されました。そこで今回の発表では、以上のモデルが、わが国と異なる文化圏に属する国々でも成立するかどうかを、日米豪3カ国の勤労者を対象に国際比較調査を実施しました。
 その結果、組織が行う自律性重視のキャリア開発は、従業員のキャリア発達を促すことを通じてリテンションを促進するとともに、組織間キャリア効力を高めることを通じてリテンションにマイナスに働くという関係は、日本、アメリカ、オーストラリアに共通にみられました。リテンションにおよぼすキャリア自律重視のキャリア開発の効果は文化圏の違いを超えて高いことが示されたといえます。
 優秀な人材の定着に課題を抱えている企業の人事部や経営者の方々など、広くリテンションの問題に関心がある方々は、以下を是非お読み下さい。

「リテンションマネジメントとは」特集はこちら

→組織のキャリア開発の観点からみたリテンション・マネジメントの国際比較.pdf

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