学会発表

「勤労者のキャリア・コミットメントに関連する諸要因の検討」日本経営システム学会第10回全国研究発表大会(山梨学院大学)

  日本経営システム学会第10回大会(山梨学院大学)
   非正規社員や転職する人々が増加し、現代は学業を終えて就職する人々が、全て一つの組織でその職業人生を終えたり、転勤と、より上位の管理職への昇進を繰り返す人生を目標とする時代ではなくなってきました。また、一つの組織を辞めても、その人の職業人生が終結するわけではなく、主婦の再就職の増加にみられるように、多くの人が職業人生を継続します。そのため、働く人は自らのキャリア意識によって、その職業人生が大きく左右される状況が生じています。本発表では、キャリア意識として、働く人が自分のキャリアや職業を重視する程度を示すキャリア・コミットメントを取り上げました。そして、キャリア・コミットメントは、年齢などの属性要因や職務・職場の状況要因からどのような影響を受けるかを、民間企業の正社員に対する質問票調査によって分析しました。
 その結果、キャリア・コミットメントが高い群は、低い群に比べ、年齢が高く、職業経験期間や勤続期間が長く、職位も上位者および管理職が多いのに加え、既婚者の比率が高いことが明らかになりました。また、自分の職務が自己実現の機会に恵まれていると感じるほど、自分の生活において仕事の占める割合が高いほど、さらに自分の職務の多様性が低いほど、キャリア・コミットメントが高いことが明らかにされました。以上から、組織の人的資源管理上の施策としては、従業員が自分の職務を、自己実現のための機会を十分にもったものだと感じるような職務設計などの必要性が示されました。
 働く人の意識やそれと組織のマネジメントとの関係などの問題に興味がある方は、以下をお読み下さい。
 日本経営システム学会第10回全国研究発表大会予稿集,pp.62-65  

 

 

 

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