学会発表

「勤労者のワーク・コミットメントの比較とその関係要因の検討(3)-勤労者のもつイメージとの関係を中心として」日本労務学会第25回全国大会(京都大学)

 広い意味での働くことに関する対象に対するコミットメントをワーク・コミットメントといいます。例えば、組織コミットメントは所属組織に対する、職務関与は担当している職務に対する、キャリア・コミットメントは所属している職業(キャリア)に対するコミットメントを示します。また、企業内のCI(コーポレートアイデンティティ:企業イメージの統一戦略)活動などで注目され、個人の行動に影響を与えるという観点でのイメージの重要性が、認知心理学など多くの分野で指摘されてきました。本論文では、従業員のもつイメージがワーク・コミットメントとどのような関係にあり、またワーク・コミットメントの対象の差異によってどのような差異や共通性がみられるかを、民間企業の正社員を対象とした質問票調査によって分析しました。
 その結果、自分のキャリア(職業)に対するコミットメントはイメージとの関係が低いのに対し、「組織」に対するコミットメントは「職場」に対する、「職務」に対する関与は「仕事」に対する良好なイメージと関係が強いことがわかりました。そのため、イメージとコミットメントとの関係において、対象を共通にする組織行動概念間の関係は、対象を異にする組織行動概念間の関係より強いという「対象の共通性優位」仮説がかなりの程度成立することが明らかにされました。
 働く人の意識やそれと組織のマネジメントとの関係などの問題に興味がある方は、以下をお読み下さい。
 日本労務学会第25回全国大会報告要旨,pp.38-41

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