学会発表

「リテンション・マネジメントとしての福利厚生管理の分析」産業・組織心理学会第25回大会(古牧温泉青森屋:主催八戸大学)

 現代は人材獲得競争の時代です。転職の増加がそれを後押しし、有能な高業績を挙げる人材の争奪戦が展開されています。人的資源管理の観点からこのような状況をみた場合のキーワードがリテンション(組織への定着)です。一方近年、ファミリー・フレンドリー(家族にやさしい)やワーク・ライフ・バランスという言葉が一般化し、多くの組織や個人が仕事(労働)と私生活とのバランスに関心をもつようになってきました。それらの増進に最も関係の深い人的資源管理は組織内外における生活の扶助・援助を意味する福利厚生管理でしょう。従業員が、福利厚生が充実した組織に長く在籍したいと思うのは当然と考えられます。そこで本研究では、福利厚生管理の観点からみて、育児休暇・介護休暇取得促進などのファミリー・フレンドリーな組織の方針が従業員のリテンションに及ぼす影響を実証分析によって検討しました。
 その結果、ファミリー・フレンドリー方針をとっている企業ほど、福利厚生制度が充実し、従業員の職務満足も高い傾向がみられ、リテンションを促進していました。また、福利厚生制度を多く導入し、職務満足が高まることは、ファミリー・フレンドリー方針のリテンション効果を促進させることも明らかにされました。さらに、以上の関係に男女差はみられませんでした。これから、リテンションにおいて、方針と実際の制度設計との一貫性を保つことの重要性が明らかにされました。これを一層促進するには、人的資源管理部門と経営企画部門との連携等が必要であると考えられます。そして、家庭生活を営みやすい施策は男性のリテンションにもプラスであり、女性にとって働きやすい組織は男性にとっても働きやすいということが示されました。
 ワークライフバランスや従業員の定着促進の問題にご関心がある方は、以下をお読み下さい。
 産業・組織心理学会第25回大会発表論文集, pp.59-62

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