学会発表

「組織のキャリア開発と従業員のリテンションとの関係ーキャリア自律の観点から」経営行動科学学会第12回年次大会(東京工業大学)

 最近の顕著な人手不足にもみられるように、現代は優秀な人材の獲得競争の時代です。雇用流動化の進展による転職の増加もそれを後押しし、有能な高業績を挙げる人材、将来のコア人材の争奪戦といった状況も展開されています。そこで、働く人々は自分のキャリアを組織に頼らず、自律的に展開する必要性が高まってきました。同時に組織には、キャリアデザイン研修や人材公募制度など、従業員が自分のキャリアを発達させていくことを側面から援助するというキャリア自律重視のキャリア開発を行うことが求められるようになってきました。以上の問題意識のもと、わが国企業の正社員の方々に対する質問票調査を行い分析しました。
 その結果、組織が行う自律性重視のキャリア開発は、従業員のキャリア発達を通してリテンション(組織への定着)を促進するが、同時にそれは転職できるまたは転職してもやっていけるという従業員の自信(組織間キャリア効力)を高めるため、リテンションを抑制するという「キャリア発達と自信のパラドックス」を引き起こす可能性が見いだされました。ご自身の組織でのキャリア発達や優秀な人材のリテンションの問題に関心をお持ちの方々は、以下を是非お読み下さい。
経営行動科学学会第12回年次大会発表論文集, pp.226-229

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