学会発表

「専門職のキャリア・プラトー化と退職との関係におよぼすエンプロイアビリティと専門性コミットメントの影響」産業・組織心理学会第29回大会(共同発表:京都橘大学)

 ここ数年専門職(看護師)のキャリア・プラトー(停滞)現象を対象とした研究を続けています。「発達」という上昇的なポジティブな側面からのみ論じられることの多かった働く人のキャリア発達に、「発達の停滞」というネガティブな側面から光を当てたのがキャリア・プラトー現象です。近年の研究では、この現象を、所属組織で将来の昇進の可能性が低下することを示す階層プラトー現象と、長期間同様の職務に従事することでマンネリ化し自己の職務に挑戦性を感じられなくなった状態を示す内容プラトー現象の2つでとらえらることが多くなっています。
 臨床経験3年以上の看護師を対象とした質問票調査の結果、組織にとって重要なリテンション(引き留め)の対象であるエンプロイアビリティ(他の組織への同等以上の条件での雇用可能性)の高い専門職のキャリア・プラトー化が進んだ場合、自分のもつ専門性へのコミットメントが低いほど、退職の意思が高いことがわかりました。多くの先生方にご来場頂き、フロアの先生方からは「他のどのような専門職に応用研究するのか?」といった有益なご質問・ご示唆を頂きました。
 広く働く人のキャリア発達の問題に関心がある方は、以下をお読み下さい(松下由美子・田中彰子・吉田文子・杉本君代・雨宮久子各氏との共同発表) 。

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