
本書で取り扱う人的資源管理とは、企業等の組織が経営上の資源である従業員をどのようにマネジメントしているか、そして従業員がいかに働きがいをもって働いているかなどの問題を扱います。これまで労務管理や人事管理とも呼ばれてきました。
組織の経営資源には「ヒト、モノ、カネ、情報・・・」といわれるように、生産設備、有価証券や情報などがありますが、それらと並んで従業員は重要な経営資源です。もともと、天然資源に乏しいわが国において人の重要性は以前から言われ続けてきました。つまり、経営者、管理者を含む組織で働く人々やその予備軍である学生などの人々が、わが国の組織経営を理解しようとする場合、人的資源管理の理解は必須であるといえます。
また近年、イノベーションやグローバル化の進展など、組織の経営をめぐる内外の環境変化には著しいものがあります。最近特に深刻な問題として挙げられるのが、構造的な少子高齢化による労働人口の減少です。これにともなう採用難や人材不足は、働き方改革の重要なポイントであり、働く人一人ひとりの生産性の向上という大きな課題を組織の人的資源管理に突き付けているといえます。また、以前から人的資源管理へ大きなインパクトを与えているのが、転職の増加を意味する雇用の流動化と正規社員以外の人々の増加等を意味する雇用の多様化です。本書では、こうした内外の環境変化にともなう人的資源管理の変化についても取り上げていきます。本書の特徴は、以下の3点です。
第1は、人的資本経営、タレントマネジメント、同一労働同一賃金、健康経営、従業員エンゲージメント、キャリア自律等、現代の組織が抱えている新しい課題や方針の多くを網羅しています。本書を読むことで現代の労働に関するトピックの多くに触れることができます。
第2は、リモートワーク、1on1ミーティング、社内公募制度、多様なハラスメント対策等、現代の組織で具体的に検討実施されている施策を数多く取り上げています。そのため、経営者、管理者を含む組織で働く人々の現場での問題解決に役立つことをめざしています。
第3は、組織(再)社会化、シェアドリーダーシップ等新しいリーダーシップ理論、自己効力感等、学術的な理論やモデルに基づく新しい考え方や概念についてもわかりやすく触れています。より深く学習されたい方にお勧めです。
本書は、以上のように内容が多岐にわたるため全18章の構成とし、それぞれの分野を専門とする13名が執筆しています。
→『WEB労政時報』「BOOK REVIEW」(労務行政研究所)
→【今週の労務書】『働く人と組織のための人的資源管理 人的資本経営時代の基礎知識』(労働新聞社)
<目次>
第1章 人的資源管理序論
第2章 採用管理
第3章 配置・異動管理
第4章 昇進・昇格管理
第5章 退職管理
第6章 能力開発管理
第7章 業績評価と人事考課
第8章 賃金・報酬管理
第9章 労働時間管理
第10章 (労働)安全衛生管理
第11章 福利厚生管理
第12章 キャリア開発
第13章 労使関係管理
第14章 リーダーシップ
第15章 モチベーション
第16章 国際人的資源管理
第17章 非正規労働者の管理
第18章 女性労働者の管理








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