近年のリーマンショックにみられるように、過去何度となく雇用に対する不安感がわが国、そして世界中の働く人々を襲いました。また近年では、働く若い人々を食い物にするブラック企業が問題となっています。そうしたなか、会社などの組織で雇用される能力を示すエンプロイアビリティが高いほど、意に添わず辞めさせられたりすることも少なく、また仮に辞めさせられても転職が可能となると考えられます。つまり、エンプロイアビリティが高いことは、終身雇用の崩壊、雇用の劣化や漠然とした雇用不安にさらされている多くの働く人々にとって、理想的な状態を示しているといえます。そうした観点から、本書では、転職だけでなく現在の会社で評価されてリストラされないという働く人のキャリア発達に欠かせない能力等を示すエンプロイアビリティについて考察しました。同時にグローバル化の観点から、わが国だけでなく、欧米の働く人々のエンプロイアビリティとの比較調査も行いました。
現在組織で働いている人だけでなく、これから社会人になる学生の皆さん、再就職を考えておられる主婦の方々、行政、職業訓練機関や民間の教育訓練事業に携わっている人々など、幅広い方々に読んでもらいたいと思っています。
書評等
→エンプロイアビリティとは? 自分の「市場価値」が気になる人必見!(STUDY HACKER)
→【読書メモ】働く人のためのエンプロイアビリティの意義:『働く人のためのエンプロイアビリティ』(山本寛著)序章
→【読書メモ】エンプロイアビリティの過去と現在:『働く人のためのエンプロイアビリティ』(山本寛著)第1章
→【読書メモ】エンプロイアビリティの概念的検討:『働く人のためのエンプロイアビリティ』(山本寛著)第2章
→【読書メモ】エンプロイアビリティの知覚尺度の開発とその妥当性:『働く人のためのエンプロイアビリティ』(山本寛著)第5章
→【読書メモ】エンプロイアビリティの要因とその影響についての実証分析:『働く人のためのエンプロイアビリティ』(山本寛著)第9章