本発表では、まず、人的資源管理や組織行動論におけるキャリア概念を先行研究の文献の検討によって分析しました。その結果、組織の人的資源管理の観点からみた従業員のキャリアの特質として、継続性、連鎖性、発達性の3つが明らかにされました。また、組織との関係からみたキャリアの分類として、組織内キャリア・組織間キャリア・組織外キャリアなどいくつかの分類の有用性が示唆されました。次に、従業員自身のキャリアに対する意識であるキャリア意識概念について述べました。具体的には、「外的キャリア+組織間キャリア」型などいくつかの従業員のキャリア類型に基づき、類型別に望ましい人的資源管理施策を述べました。加えて、キャリア意識に関係する要因、その影響についてら論じました。最後に、昇進の遅れや停滞を意味するキャリア・プラトー現象について論じ、プラトー状態の従業員とそれ以外の従業員との比較やプラトー化の程度により層別化した従業員ごとに望ましい人的資源管理施策を提案しました。
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