学会発表

「組織の従業員におけるキャリア・プラトー現象の研究」産業・組織心理学会第12回大会(シンポジウム「生涯現役社会の実現に向けて」:高崎経済大学)

 組織における昇進の停滞を示すキャリア・プラトー現象は、従業員にどのような影響を及ぼすのでしょうか。本発表では、職務の充実度やキャリア意識に影響すると考え、民間企業の正社員を対象にした質問票調査の結果から分析しました。
 その結果、プラトー化した従業員(プラトー)はプラトー化していない従業員(ノン・プラトー)より、多様性、意義、フィードバックなど職務の内在的要因ばかりでなく、作業条件のような職務の外在的要因、さらに能力開発的要因も否定的に認知しており、組織の労働条件管理や能力開発管理に対する満足度が低いことが示唆されました。また、キャリア意識についてもこれまでのキャリアへの満足感、自己開発の意欲などがプラトーはノン・プラトーより低いことがわかりました。さらに、プラトーはノン・プラトーより自己の職務の特性がキャリア意識に与える影響が強いことが明らかにされました。そのためノン・プラトーよりプラトーに対する職務の充実化の効果が高いことも示されました。プラトーに対する重点的な職務の充実化は必要性が高いとともに、効果が高いことが見出されました。
 組織における働く人のキャリア発達の問題に関心がある方は、以下をお読み下さい。
   産業・組織心理学会第12回大会発表論文集, pp.30-32

「キャリアプラトーとは」特集はこちら

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