本発表は、働く人のリテンション(組織への定着)・マネジメントに関する6回目の発表です。
従業員の職務や組織へのコミットメントを高めるような組織のマネジメントは、彼らのリテンションを促進するというコミットメントモデルが長らく欧米の企業で認められてきました。しかし、わが国を含む非欧米系の国々では明らかにされてきませんでした。そこで、90年のモンゴル国成立以降、市場経済化が急速に進行しているモンゴルの組織でコミットメントモデル が成立するかどうかを質問票調査の結果に基づき分析しました。
その結果、業績のいかんによる評価・報酬(成果主義)はリテンションを促進したのに対し、充実した教育訓練や情報の共有はリテンションに影響していませんでした。完全出来高払い制や個人業績に対する表彰制度等の成果主義的なマネジメントが従業員のリテンションを促進する可能性が示されたといえます。モンゴルにおいても、コミットメントモデルが部分的に適用可能であることが示されました。
人的資源管理や従業員のリテンションに関心をお持ちの方は、以下をお読み下さい。
国際ビジネス研究学会第17回全国大会報告要旨,pp.84-88(山崎京子氏との共同発表)
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