学術論文

「勤労者の「キャリア目標に対する関与」についての一考察」『応用心理学研究』(日本応用心理学会)第18号pp.25-35<査読済み>

 非正規社員の増加や転職の増加し、現代は学業を終えて就職する人々が、全て一つの組織でその職業人生を終えたり、転勤と、より上位の管理職への昇進を繰り返す人生を目標とする時代ではなくなってきました。また、一つの組織を辞めても、その人の職業人生が終結するわけではなく、主婦の再就職の増加にみられるように、多くの人が職業人生を継続します。そのため、働く人は自らのキャリア意識によって、の職業人生が大きく左右される状況が生じています。本論文では、キャリア意識として、将来の自分のキャリア目標達成に向けてのコミットメントを示すキャリア目標コミットメント(関与)を取り上げました。キャリア上の目標は、日常の業務目標とは異なり、その達成が長期的になりがちでモチベーションを維持しにくいため、キャリア目標に対するコミットメントを継続させることがその達成にとって重要と考えられるからです。
 民間企業の正社員に対する質問票調査によって、重視する価値観(労働観)やその他組織や仕事に対するコミットメントがどのように影響するのかを分析しました。その結果、仕事の管理的側面や能力発揮を重視し、労働時間を重視しないほど、また男性で、管理職であるほど、さらに仕事に対するコミットメントが高いほど、キャリア目標コミットメントが高いことが明らかにされました。以上から、専門性を高めるような人的資源管理、例えば計画的に専門性を高めるようなジョブ・ローテーションや自律性、多様性などを仕事を充実させる必要性が示唆されました。
 働く人のキャリア意識やそれと組織のマネジメントとの関係などの問題に興味がある方は、是非お読み下さい。

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