昨年に引き続き、青山学院大学ご出身の社会保険労務士の方々の研修会で講演してきました。テーマは、働き方改革と社員の定着(リテンション)との関係についてです。働き方改革の目的は労働生産性、つまり働く人一人ひとりの労働の質の向上です。しかし、それだけを追い求めても、量(社員数)が伴わないと、企業の成長、業績向上につながりません。そして、量の確保のためには、①社員の採用と②現在の社員の定着が必要ですが、現代のような、少子高齢化による恒常的な採用難のもとでは、採用した社員に長く勤続して働き続けてもらうというリテンションが重要となります。すなわち、働き方改革によってもたらされる働きやすさの向上は労働生産性だけでなく、リテンションの向上につながります。また、働き方改革とリテンションのための様々な施策は重なることも多く、働き方改革を展開する上で、リテンションのためのマネジメントを参考にし、考慮する必要性は高いのです。このような観点から、わが国企業でのリテンションの現状や、欧米やわが国でそれを促進する要因、リテンションのためのマネジメントとしての具体的な施策についてお話ししてきました。加えて、最近インタビューした多様な業種の組織の取り組みをケースとして報告しました。講演後も名刺交換等、有意義な時間をもつことができました( 15:45 ~17:45 於 青学会館校友会A室)。
こうした問題にご興味のある方は以下の新書も是非、お読み下さい。
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