雇用の多様化、つまり非正規従業員といわれる人々が勤労者全体に占める比率がますます高くなっています。また、外食産業やコンビニ業界だけでなく、多くの組織や職場で非正規従業員がその仕事の中心を担うようになってきました。そのため、管理者が非正規従業員を育成する必要性が高まっています。本稿では、この問題を、性別、年齢、国籍などの属性やキャリア、勤続期間など働く人の多様性を尊重し、それを支援するような組織環境や制度を構築することを示すダイバーシティマネジメント(多様性管理)の観点から検討しました。
その結果、OJT(職場内訓練)においても上司が関わる比重は高い、正規従業員への登用制度においても上司の推薦が最も重視されるなど上司の育成に関する位置づけの重要さが明らかにされました。すなわち、非正規従業員の育成のためには、職場の管理職への趣旨徹底や彼らの理解・協力が不可欠になります。そのためには、上司と部下との円滑なコミュニケーションを可能にするような組織文化の醸成が必要となります。非正規従業員の問題や彼らの能力開発の問題に関心がある方は是非お読み下さい。
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