近年ゆとりを求める人々の意識の変化がみられ、大都市生活者のライフスタイルは時間的なゆとりを求める方向に傾きつつあると考えられます。一方、国際的にみて日本人の生活満足は必ずしも高いとはいえません。そこで、ゆとりを求めるライフスタイルを多くの人々において実現していくためには、どのような要因が求められるのかの検討は重要だと考えられます。そこで、本論文では、対人関係と働く人が労働に関して何を重視するかを示す労働観が影響すると考えました。対人関係として、他人との関係で連帯感を求める連帯意識を、労働観として、仕事中心の労働観と仕事を通しての人格形成を重視する人格形成の労働観の2つを考えました。
首都圏に居住する60才未満の男女を対象にした質問票調査の結果、仕事中心の労働観および人格形成の労働観は、生活の便利さの追及によりゆとりある時間を重視したライフスタイルにポジティブに影響し、連帯意識はネガティブに影響していました。人々のライフスタイルや生活意識などに関心をお持ちの方は是非お読み下さい(横田澄司氏との共著)。
学術論文