近年の余暇時間の長時間化は、消費者の余暇重視意識を強化すると考えられます。すなわち、余暇を充実させる消費生活が望ましいという価値観を多くの人々の間に形成すると考えられます。本発表ではこのような余暇重視意識を余暇満足という形でとらえ、余暇満足に影響する消費者の諸特性を分析することは今後の消費生活を検討する上で重要と考えました。そして、消費者の特性として社会規範意識とライフスタイルを取り上げ、それと余暇満足との関係を、首都圏及び近畿圏の生活者を対象にした質問票調査によって分析しました。その結果、社会規範を受容し、享楽的ライフスタイルを志向する消費者は、仕事に従属的な休息としての余暇意識の程度が低く、余暇自体の取得を目的とし、余暇満足を追求する人々であることなどが明らかにされました。社会的に余暇が重視されるようになってきた昨今、それと関係する要因などに興味がある方は以下をお読み下さい。
産業・組織心理学会第6回大会発表論文集, pp. 50-52(滋野英憲・横田澄司各氏との共同発表)