学術論文

「エンプロイアビリティ保障の実証的研究」 『日本経営学会誌』第36号 pp.26-37<査読済み>

 欧米では長年、企業などの組織が社員のエンプロイアビリティ(組織に雇用される可能性)を高める必要性が主張されてきました。これを「エンプロイアビリティ保障」といいます。本論文では、わが国の組織でのエンプロイアビリティ保障の現状と、それが社員のキャリア意識を高めるという形で組織にとって有効かどうかを、能力開発管理の観点から検討しました。社員の能力を向上させる研修などの能力開発管理は、エンプロイアビリティ保障の手段として欧米では有効と考えられてきたからです(能力開発管理以外の人的資源管理については、2015年9月にAoyama Journal of Business第50巻第2号に掲載されています)。
 民間企業の正社員に対する質問票調査の結果、以下のことがわかりました。
 第1に、組織による積極的な能力開発は、社員の二つのエンプロイアビリティ、つまり、内的エンプロイアビリティ(組織内で評価の高さを通して組織に雇用され続けること)及び外的エンプロイアビリティ(組織外への雇用、転職を可能にすること)をともに高めていました。すなわち、積極的な能力開発によるエンプロイアビリティ保障が成立することが明らかにされました。
 第2に、積極的な能力開発はエンプロイアビリティ保障を通してこれまでのキャリアに対する満足感にも将来のキャリアの見通し(展望)にもポジティブに働いていました。つまり、エンプロイアビリティ保障の有効性も示されました。企業が能力開発を通して社員のエンプロイアビリティを高める必要性が明らかにされたといえます。
 働く人の雇用問題等について興味をおもちの方は、是非以下をお読み下さい。

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