本発表は、働く人のエンプロイアビリティ(雇用可能性)に関する第1回目の発表です。
今回は、雇用に対する不安感と働く人の職務上の態度や行動との関係に彼ら自身のエンプロイアビリティ(雇用の可能性)がどのような影響を与えているかという点を分析しました。
正社員に対する質問票調査の結果から、 雇用不安もエンプロイアビリティも仕事における満足、組織へのコミットメント(エンプロイアビリティのみ)、これまでのキャリアに対する満足、これからのキャリアに対する展望の低さに寄与し、退職意思の高さに寄与していました。また、 雇用不安が高いほど仕事における満足、組織へのコミットメント、これまでのキャリアに対する満足、これからのキャリアに対する展望が低下する関係はエンプロイアビリティが高いほど弱まり、雇用不安が高いほど退職意思が高まる関係はエンプロイアビリティが高いほど強まっていました。バブルの崩壊、リーマンショック等、雇用不安が高い状況では、自身のエンプロイアビリティが高いことがネガティブな影響を低下させることがわが国の働く人に対する調査でも明らかになりました。
働く人の雇用問題について興味をおもちの方は、以下をお読み下さい。
日本労務学会第42回全国大会研究報告論集,pp.121-128
学会発表