学会発表

「キャリア意識とキャリア上の決定・行動の関係の研究」産業・組織心理学会第9回大会(九州大学)

 非正規社員の増加や転職の増加により、現代は学業を終えて就職する人々が、全て一つの組織でその職業人生を終えたり、転勤と、より上位の管理職への昇進を繰り返す人生を目標とする時代ではなくなってきました。また、一つの組織を辞めても、その人の職業人生が終結するわけではなく、主婦の再就職の増加にみられるように、多くの人が職業人生を継続します。そのため、働く人は自らのキャリア意識によって、その職業人生が大きく左右される状況が生じています。それでは、キャリア意識は本人の主観的な意識にとどまらず、行動にも影響するのでしょうか。本発表では、組織従業員のキャリア満足などのキャリア意識が、仕事の質の向上行動などの日常のキャリア上の決定や行動に及ぼす影響を、民間企業の正社員に対する質問票調査によって分析しました。また、年齢などによるキャリア・ステージ(職業経歴段階)による差異を含めて分析することによって、それらを左右する日常の職務遂行の目標管理や教育訓練などの有効性を検討しました。
 その結果、(従事している職業に対する態度である)キャリアコミットメント(職業関与)が(転職意思などの)キャリア変更行動の意思にネガティブに寄与していました。また、(自分のキャリア目標に対するコミットメントの程度を示す)キャリア目標コミットメントが、仕事の質の向上行動や組織における上昇志向行動にポジティブに寄与していました。これらの結果から、組織の目標管理における従業員の長期的なキャリアの重要性などが示唆されました。
 働く人のキャリア意識やそれと行動との関係などの問題に興味がある方は、以下をお読み下さい。
 産業・組織心理学会第9回大会発表論文集, pp. 81-83

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